ボウリング場、半世紀の歴史に幕「福岡・西新パレスボウル」
「パーフェクト達成まであと1本だったのが一番の思い出。地域に貢献してくれたボウリング場だった」。利用団体「春一番クラブ」の廣田哮志(たかし)会長(76)はこう語った。同クラブに所属し、毎回100点を超えるスコアを出してきた米田シゲ子さん(96)は「(亡くなった)夫と一緒にボウリングができてよかった。100歳近くになってもボウリングはできる。今はパレスとのお別れが悲しく、寂しい」と名残を惜しんだ。
最終日は施設が無料開放され、会員向けの大会も開かれた。志垣大輔支配人(42)は「初めてボウリングをしたのも、社会人として働き始めたのもこの施設で感慨もひとしお。50年間、たくさんのお客さまを笑顔にしてくれた」と述べた。
施設は女子プロボウラーの活躍でボウリングブームが起きた昭和47年に開業。西日本鉄道グループの西鉄興業が運営し、平成15年度には約14万人が利用したが、令和2年度は新型コロナウイルス禍の影響などで約6万人に減少した。収益改善が見込めず、老朽化した設備の更新に多額の費用がかかることなどから閉鎖が決まった。福岡市内でも近年、経営難や老朽化などを背景にボウリング場の閉鎖が相次いでいる。