伝統芸能「鹿子踊」描いた油彩画の大作で受け継がれる郷土愛…半田豊の作品を新たな場所で後世へ【山形発】
飾られるのは、縦横2メートルを超える油彩画の大作。
「藍(1994年)」は新しい県立新庄病院へ、「紫紺(1999年)」は東北農林専門職大学に贈られる。
全国でも珍しいカモシカをモチーフにした「萩野・仁田山鹿子踊」。
郷土の伝統芸能に魅せられ、半生をかけて描き続けたのが、中学校の美術教師だった半田豊さん。明倫中学校の校長を退職したあとは県や市の社会教育に貢献した。「子ども芸術学校」の創設にも尽力し、4年前に他界した。
カモシカの仕草を豊作を願う奉納舞に取り入れた地元の人たち。半田さんの作品からは、地域全体が豊かになることを願う人々の思いが伝わってくる。
自宅のアトリエに眠っていた約60点の作品を遺族から受け継ぎ、後世に残す活動を続けている「半田豊の想いを繋ぐ会」。
半田豊の想いを繋ぐ会メンバー:
生命が躍動している。雪深い山村の春待つ喜び。その描写が一番好き
これまで、旧瀬見小学校など廃校のギャラリーに展示してきたが、新たな展示場所を探す中、県の担当者から新しい病院と大学に置かせてほしいと知らせが届いた。
半田豊の想いを繋ぐ会・中野光雄代表:
誇りとはいわなくとも、私たちにはこういう文化がある。多くの人の目に触れる機会が増えたということが最高の喜び
半田さんが残した作品には額装がなく「想いを繋ぐ会」では、広く協賛金を募っている。郷土を愛し続けた半田豊。その思いは、新庄の顔となる新たな場所で、後世に受け継がれる。
(さくらんぼテレビ)