藤原宮近くに大規模瓦工房 計6基の窯跡、造営時に供給か
6基には瓦を入れる焼成部が平らで、日干しれんがを用いた「平窯」と呼ばれる構造の窯もあり最古例。同時代の中国に類例があり、宮の造営に当たり当時の最新技術を取り入れたらしい。
日高山瓦窯は藤原宮の南門・朱雀門から南に約300メートル。藤原宮に瓦を供給した工房は複数あるが、宮の最も近くに立地する。以前に3基が見つかり、同研究所が2021年にレーダー探査を実施。他にも複数の窯があると想定されていた。
窯跡では焼成部のほか、炎を起こす燃焼部、煙突に当たる煙道などがあった。藤原宮造営は680年代に行われ、日高山瓦窯は造営初期に短期間操業したらしい。
探査では6基以外にも反応があり、瓦窯はさらに増える可能性があるという。
現地見学会は7月1日午前11時~午後3時。小雨決行。