『受験生出頭に「浅はか、稚拙」「正々堂々と受験を」 共通テスト流出』へのみんなの感想まとめ
【東大生の男性の返信に対して送られてきたメッセージ】
少女が出頭した香川県警丸亀署(香川県丸亀市)には、27日夕方になると続々と報道陣が詰めかけた。署内は落ち着いた様子で、取材対応した署員は「何も言えない」の一点張り。県警本部の幹部も「警視庁マターなので何も言えない」と困惑した様子で話した。
県内では突然の報に戸惑いの声が聞かれた。公立高校3年の女子生徒(18)は「受験は人生がかかっているのにズルをするなんて考えられない。スマートフォンなどを使うと試験監督者にすぐにばれるはず。なぜ気付かれなかったのか」と驚く。高松市内で予備校「濱川学院」を経営する濱川武明学院長(47)は「ネットや情報技術を悪用したカンニングのうわさは以前から出ていた。今の浪人生はコロナ禍でまともに授業を受けられなかったという不平等もあるが、それでも真剣に勝負しようと周囲の大人たちが教えていくべきだ」と訴えた。
出頭した少女は大阪府内に居住している。医学部を目指して2浪中の女性(20)=大阪市城東区=は今回の不正行為について「浅はかで稚拙。すぐにばれると思った。受験は公平であるべきで、それをめちゃくちゃにした人は大学も求めていないと思う」と切り捨て、「自分はやるべきことをやるだけです」と緊張感を漂わせた。兵庫県立高校3年の男子生徒(17)は「なぜこんなことをしたのか。(不正行為の)準備をしていたようだが、その時間を勉強に充てられなかったのか」と疑問が尽きない。「たとえカンニングをして行きたい大学に受かっても、後ろめたさで大学生活は楽しめないと思う」と突き放した。
厳しい意見が大半を占める中、心情をおもんぱかる声も。1浪して国公立大を志望する大阪府内の男性(19)は「浪人は現役の時よりもプレッシャーが大きい。許される行為ではないが、同じ年齢なので同情もする」と気遣いつつ、「まずは自分のしたことを反省し、それでも志望する大学への進学を目指すなら今度は正々堂々と受験してほしい」と話した。
こうした混乱を招かぬよう徹底した不正防止が求められるが、専門家は限界を指摘する。IT(情報技術)やネット問題に詳しい神戸大大学院の森井昌克教授(情報通信工学)は、眼鏡型など体に装着できる情報機器「ウエアラブル端末」とスマホがあれば単独でも不正行為は可能とする。「技術が進展しており、持ち物検査や身体検査をしなければ防ぐことはできない。ただ、受験生への心理的な負担を考えると実際には難しい」とし、「不正行為が発覚すれば大きな不利益を受けることを、受験生に訴えていくことが重要だ」と話している。【喜田奈那、西本紗保美、隈元悠太、松本光樹、近藤諭】