芸術家の卵が共同生活する「清島アパート」 入居者、地元に活動披露
1960年代に建てられた木造2階建ての清島アパートは、3棟22室からなる。別府現代芸術フェスティバル2009「混浴温泉世界」で会場の一つになったのをきっかけに、アパートに引っ越す芸術家が現れるようになり、その後、現代芸術の紹介に取り組むNPO法人「BEPPU PROJECT」が管理、運営するようになった。
毎年全国から入居希望を募り、書類と面接で審査したうえで春に入居者と1年契約を結ぶ。月額1万円の家賃で自室とアトリエの2室が与えられ、年度末に活動成果を発表する仕組みだ。
これまで111組が入居し、その多くは共同生活を通じて制作上の刺激を受け、次のステップを目指して数年で退去していったという。23年度は5人が新規入居で、残り2人は2、3年目となる。7人には1人7分間が与えられ、動画のほか、スライドや一人芝居でそれぞれの個性的な活動を紹介した。
司会を務めた同NPOの中村恭子代表は「アートは街へ彩りを加える。1月にはレンガホール内にアーティストを目指して別府に移住を考える人たちの相談窓口が新設された。清島アパートを拠点に切磋琢磨(せっさたくま)してもらい、別府発の現代芸術作品の輩出を後押ししたい」とあいさつした。【大島透】