GWは、言葉の面白さを観て、聴いて、遊んで体感!「谷川俊太郎 絵本★百貨展」開催中
1952年に『二十億光年の孤独』でデビューして以来、詩や翻訳、脚本など、巧みな言葉使いで数々の作品を手がけている詩人・谷川俊太郎。心にすっと染み入るその言葉に、絵や写真を添えた絵本もまた、谷川のワイフワークのひとつ。1960年代から現在に至るまで、200冊にも及ぶバラエティ豊かな絵本を生み出してきた。
ナンセンスの楽しみや言葉遊び、あるいは世界のありようを認識する手がかりをくれる谷川の絵本に共有するのは、読み手に対する希望の眼差し。生きることの大変さや尊さ、死や戦争までをテーマとし、今なお、絵と言葉による表現に挑み続けている。
「谷川俊太郎 絵本★百貨展」では、そんな谷川の絵本に焦点を当てた展覧会だ。約20冊の絵本を取り上げ、多彩なクリエイターとともに、絵本の原画、絵や言葉が動き出す映像、朗読や音、巨大な絵巻や書き下ろしのインスタレーション作品などが展示される。
絵本の原画を展示するのは20冊のうち7作品。『オサム』や『おならうた』、『これはすいへいせん』など5作品が並ぶ展示の前半は、アートディレクター/デザイナーのminnaが展示デザインを担当。ただならぬ気配の「おならドーム」の中に原画が置かれた『おならうた』の展示や、ページをめくる度に文章が積み重なっていく作品の様子を表現した『これはすいへいせん』の展示など、原画を軸にしながら、絵本から絵や言葉が飛び出す、 PLAY! MUSEUMならではの空間を楽しめる。
原画の展示の後半は、建築家の張替那麻が手がけた2つの展示コーナーが登場。「生」と「死」をテーマにした『かないくん』、『ぼく』の展示では、ひんやりとしたアルミニウムの壁に原画と言葉を飾り、世界観を表現。盟友・和田誠との共作絵本の展示コーナーでは、代表作『あな』をイメージし、角材を組み上げた立体的なベンチを設置。腰掛けながら、じっくりと作品を手に取ることができる。