LGBTの入門書 「自分だけじゃないんだ」と救いの一冊に
幼いころから性的な違和感に悩み、誰にも打ち明けられなかった清水さん。生きる意味を見いだせなかった高校時代、性同一性障害をカミングアウトした競艇選手の著書「スカートをはいた少年」を読み、「自分だけじゃないんだ」と救われた。この体験が今回の執筆につながった。
女子大に進学した18歳の時に両親にカミングアウト。3年後に台湾で適合手術を受け、戸籍も男性に変更した。約10年前に医療専門学校で知り合った女性と結婚。第三者の精子を使う非配偶者間人工授精で2人の子どもを授かった。16年に日本LGBT協会を設立し、当事者の相談や講演活動に取り組んでいる。
著書は2部構成で、前半はLGBTをめぐる世界の流れや法律、医療、制度など「知っておくべき」基礎知識を紹介。後半は悩みながらも、自分らしく生きることを選んだ半生を記した。清水さんは「学生時代、性的マイノリティーはからかいの対象で、怖くて誰にも打ち明けられなかった。この本で当事者への理解が広がれば」と話している。【山本真也】