スマホで石碑の字判読 「ひかり拓本」アプリ開発費募る 奈文研
判読技術は同研究所の上椙英之研究員(46)が2016年に開発した「ひかり拓本」。石碑に刻まれた文字をさまざまな角度から光を当てて撮影し、画像の影のみを重ね合わせることで文字を浮かび上がらせる技術だ。風化した災害伝承碑を判読することにも使われ、災害に強い町作りにも生かされてきた。
これまではパソコン用ソフトを使っていたが、教育現場などより多くの人に技術を活用してもらおうとスマートフォン向けアプリを開発することにした。スマートフォンと懐中電灯などの光源があれば、小学校高学年程度でも手軽に石碑の文字を判読できるようになるという。
5日に記者会見した上椙研究員は「研究者だけでは各地にある石碑の調査は対応できない。皆さんに協力していただければ」と話し、将来的には「ひかり拓本」の画像を登録できるデータベースを構築したいとしている。
アプリの一般公開は23年3月中を目指している。CFの目標金額は380万円。12月2日午後11時まで、CFサイト(https://readyfor.jp/projects/hikaritakuhon01)で受け付けている。【塩路佳子】