光と闇が入り混じる世界で、Junaidaの想像力に浸る。初の大規模個展『IMAGINARIUM』が開催中。
鮮やかな色彩で緻密に描かれた不思議な世界。そこには、光と闇、温かさと冷たさといった複雑な感情が混在する。絵を見たり、本を手にとったことがある方はおわかりかと思うが、画家のjunaidaが描き出す絵の世界は、見る者に様々な感情を湧き起こす。
東京・立川の〈PLAY! MUSEUM〉では10月8日から、junaidaの絵の魅力を余すところなく堪能し、絵の世界に入り込んだような体験ができる展覧会『IMAGINARIUM』が開催されている。junaidaにとって美術館では初となる展覧会で、会場には400点を超える原画が展示される予定だ。
展示タイトルに使用された言葉「IMAGINARIUM」というのは、想像するという言葉に場所を表す接尾語「-ium」を付したものだ。
「頭の中はどうなってるの? という質問を受けることがたまにありますが、この展覧会がひとつの答えになるかもしれないです。一人の絵描きの内面を、歩いて観て回れる想像の美術館、というようなイメージです」
展示は「輪郭の扉」というエリアから始まる。今回描き下ろした三連画が、完成前の線画の状態で引き伸ばされ展示される。まさに作品の輪郭だ。そして色のない世界からカラフルな世界へ。
展示室ではjunaidaの脳内宮殿の中で、400点以上もの原画そのものと、原画に描かれた世界観を全身で堪能できる。原画の展示方法にも工夫が凝らされており、メインビジュアルの三連画は線画の大判出力の他に、原画とカラー版の大判出力も空間に配置される。原画の緻密な世界から目を上げると、視界いっぱいに絵の世界が広がるようなイメージだ。
また、『怪物園』(福音館書店)の巨大アニメーションも見もの。絵本に登場する怪物たちと一緒に行進することで、観客は、現実と本の中にあったはずの空想世界の境界が曖昧になることを体感できるだろう。
「作品の世界を味わうのと同時に、距離感や大きさの感覚が揺らぐような不思議な体験になったら素敵だなと思います」
〈PLAY! MUSEUM〉東京都立川市緑町3-1 TEL 042 518 9625。~2023年1月15日。10時~17時(土・日・祝~18時)。無休(年末年始除く)。1,800円。会期中は関連イベントも。