仏像だけじゃない 入江泰吉の初期写真集「文樂」75年ぶり復刻
復刻版「文樂」は東京都の出版社「CASE(ケース)」が発刊。原本の装丁をそのまま複製し、昭和20年代の趣を残す一冊にした。1939年から約5年にわたり大阪の文楽座で撮影された公演や人形、小道具部屋などの写真が収録され、45年の大阪大空襲で焼失した文楽座の在りし日を伝えている。
説田さんによると、入江が文楽を撮るようになったのは、友人で文楽を研究していた斎藤清二郎からの依頼がきっかけだった。撮影を機に文楽にのめりこんだといい、同館には入江が撮った約3000点の文楽写真が所蔵されている。写真集の収録作品3点を含め、6月26日まで展覧会「没後30年 入江泰吉『文楽』」で、計51点を公開している。
復刻版「文樂」はA5判、56ページ(斎藤清二郎の解説含む)。1650円。入江泰吉旧居(同市水門町)でも販売している。問い合わせは、入江泰吉記念奈良市写真美術館(0742・22・9811)。