世界文化賞のアイ・ウェイウェイさんが埼玉大生と意見交換
アイさんの鋭い社会批判と哲学を込めた表現は、インスタレーション、建築、映像からソーシャルメディアでの発信まで多岐にわたる。特に難民問題などに焦点を当てた作品で高い評価を得ている。
この日は、理学部1年の高橋瞭太さん(18)が「中国政府のような大きな権力にどう立ち向かうか」と質問を投げかけたのに対し、アイさんは「中国は人口14億人だが『1人』しかいない。高度な専制体制を作ったのが、強大になった要因の一つだ」と指摘。その上で、「この国で一番、重要なのは人間性だ」と説明した。
また別の男子学生が「中国は今後、どうなるのか」と尋ねると、「先日の全国人民代表大会を見た限りでは『武断政治』は変わらないだろう」と懸念を示した。「中国共産党は世界に自分の力を示せると信じている」とも語った。
意見交換会の後、高橋さんは「人間性が重要だという話に感銘を受けた。アイさんの話が聞けて、とてもいい機会になった」と話した。