就活リサーチ 加速する「タイパ」重視
動画や映画を1・5倍速で視聴したり、食事は外食よりもデリバリーを好んだりと、さまざまな分野で短縮できる時間を考えながら活動しようとしています。「お金」に対する効率性を示すコスパ(コストパフォーマンス)とともに、意識する人が増え、就活生にもその考え方は浸透しています。
■コロナ禍で費用激減
就活には、何かとお金や時間がかかります。これまでは宿泊交通費のほか、移動時間、企業研究や自己分析に費やす時間などが、頑張れば頑張るほどかさむ傾向がありました。
しかしコロナ禍を契機に就活のオンライン化が進み、就活費用は一気に減りました。比例して、移動などにかける時間も減少。オンライン化により、1日に5社の会社説明会に参加することも容易になりました。いまや就活は、いかに時間をかけずに効率よく満足のいく情報を得て、経験値や知識量を増やすことができるかが重視され始めています。
とはいえ、一律にタイパ重視というわけではありません。第1志望企業のインターンシップでは「タイパの悪い」対面型プログラムに参加を希望する学生が目立ちます。志望度が高い企業に対しては労力を惜しみません。
一方で、志望度が低い企業のインターンはオンラインで参加するなど、効率性を重視する傾向があり、使い分けているようです。
■予定管理は万全に
企業側も「時間」対「効果」を重視します。コロナ禍への対応が進み、オンライン一辺倒から対面方式の選考を復活する企業も多くなりました。会社説明会や1次面接はオンラインで実施し、2次面接以降など、より見極めたい場合は対面で実施するというように使い分けてくる企業が増えそうです。
今後は、午前中はオンライン説明会、午後は企業に赴いて面接、夕方にはオンラインで面接…など、対面とオンラインを効率よく組み合わせる活動パターンが出てくるでしょう。
タイパを重視した就活は効率的ではありますが、スケジュールが複雑になると、管理はかなり大変になりそうです。そのため予定管理は抜かりなく、時間をかけてしっかりとしたいものです。(キャリタス就活 吉田治)