女性初「棋士」ならず、里見女流五冠「実力不足」
試験は四段5人と対戦し、3勝で合格、3敗で不合格となる。里見女流五冠は終局後「今の自分の実力だと思う。また勉強して頑張りたい」と話した。
将棋のプロは棋士と女流棋士がいて制度が異なり、棋士になるには養成機関「奨励会」を卒業するか、編入試験に合格しなければならない。里見女流五冠は以前奨励会に在籍、三段まで昇段したが、平成30年に年齢制限のため退会した。
里見女流五冠は5月、男性棋士が参加する公式戦で直近の成績を10勝4敗として編入試験の受験資格を満たした。
終局後の記者会見で、里見女流五冠は試験の結果について、「中盤から終盤にかけてのねじりあいで読み負けている部分もあった。実力不足、弱いといったところにほかならない」と振り返った。その上で「大きな舞台で敗戦を経験することで自分自身も成長できると思うので、今後の糧にしたい」と述べた。
今後も資格を満たせば編入試験を再受験できるが、「最後の挑戦のつもりだった。今後(受験を)考えることはないのかなと思う」とした。
女流棋界の第一人者として女流棋戦を戦いながら、男性棋士が参加する公式戦にも参加し、過密な日程を縫っての受験だった。「対局は確かに多いが、どういう状況でも変わらず、普段の力を発揮できないと本当の強さではない」と語った。