『広島県議・市議ら35人「起訴相当」 辞職の市町議ら46人「不起訴不当」 河井事件で現金受領 検察審査会議決』への皆さんの反応まとめ
【写真でたどる】河井克行元法相の歩み
既に辞職した市町議や後援会員ら46人については再捜査を求める「不起訴不当」と議決し、検察が捜査に乗り出す前に現金を自ら返却していた県議や後援会員ら19人については、不起訴を妥当と認める「不起訴相当」と議決した。議決は昨年12月23日付。
起訴相当の35人と不起訴不当の46人は東京地検が今後再捜査し、起訴するかどうかを改めて決める。起訴相当の35人については地検が再び不起訴とした場合でも、検審が2回目の審査で起訴相当と議決すれば、検察官役の指定弁護士によって強制起訴される。
議決書では、35人を起訴相当にした理由について「受領当時、公職に就いていたにもかかわらず、10万円以上の高額の金員を受領し、直後に返還するなどしておらず、辞職もしていない」と強調。「責任の重さ、情状の悪質性に鑑み、不起訴は不当であり、起訴するのが相当だ」とした。
100人の内訳は参院選当時に首長や地方議員だった政治家が40人を占め、残る60人は後援会員や陣営スタッフら。地検によると、克行氏や妻の案里元参院議員(48)=有罪確定=から票の取りまとめの趣旨などで各5万~300万円を受け取った。
候補者を当選させる目的で有権者や運動員に金品を渡した場合、渡した側と受け取った側の双方が罪に問われるが、地検は21年7月、現金を受け取った側の100人全員を不起訴にした。同法違反を認定した上で、既に死亡した1人(容疑者死亡で不起訴)を除いた99人を「受動的な立場だった」などとして起訴猶予にしたという。
一方、100人を告発していた広島市内の市民団体「河井疑惑をただす会」などが不起訴を不服とし、検審に審査を申し立てていた。
被買収罪の法定刑は3年以下の懲役か禁錮または50万円以下の罰金。現職の政治家は、罰金刑以上が確定すれば公民権停止となって失職する。被買収者とされる広島県内の政治家40人のうち、辞職したのは8人にとどまる。それぞれ13人いる県議と広島市議は全員が議員を続けている。
一連の事件を巡っては、地検は20年7月に河井夫妻だけを起訴。案里氏は21年1月に東京地裁から懲役1年4月、執行猶予5年の有罪判決を言い渡され確定した。克行氏は同年6月に懲役3年の実刑判決を言い渡され、即日控訴したが、同年10月に控訴を取り下げ、実刑判決が確定した。中国新聞社