「見えないからこそ」2人で作るブラインドダンス 2月の国際大会V
同選手権は2月に港区であった。西さんは弱視で現在はほぼ見えない状態。うっすら見えたテレビで芸能人の踊る姿に憧れ、7年前にブラインドダンスを始めた。見て覚えるのが難しいハンディがある中、「指導者の体を触り、形をイメージしながら」習得した。
根岸さんは5年ほど前、西さんが活動するNPO法人八王子視覚障害者福祉協会(八視協)の幹部がツイッターで西さんのダンス相手を探しているのを知ってつながり、それを機に協会でガイドヘルパーも始めた。西さんはマッサージ師、根岸さんはドッグトレーナーとして働きながら週2~3日練習してきた。
2人は昨年2月の同選手権でも、同じ出場枠の「チャチャチャ」で優勝。同10月には八王子市内であった一般の大会に出場し、準優勝した。
今月12日、八王子市役所で2人の訪問を受けた石森孝志市長は「憧れを形にしてすばらしい。若い人が続く」とたたえた。
根岸さんは「西さんは伝えようとする動きを受け止め、表現してくれるこの上ないパートナー。見えないからこそこちらがリードを間違えると動いてもらえず、互いに高め合える」。西さんは「2人でダンスを作れている。ブラインドダンスを知ってもらい、見えなくても外に出るきっかけにつながるといい」と話す。
八視協でブラインドダンス同好会を設立し、2人を支える協会理事長の宮川純さん(45)は「ダンスを通し、視覚障害があっても自分を表現し、人と関わる幅も広がる。2人の活躍でそれが伝わる」と話している。