NYでこの夏、大山エンリコイサムの展覧会が開催!
コロナ渦の葛藤から生まれた、路上や車道の一部などレストランの屋外に飲食スペースを設ける「アウトドア・ダイニング」は、いまやNYの風物詩だ。これに加え「ワイルド・ポスティング」、すなわちストリートの壁に貼られる商業広告ポスターに着想を得たという、大山エンリコイサムによる最新のマルチメディア展覧会『Rock Show, Sick I Go』がいよいよスタートする。
会場の〈THE GALLERY〉は、ミシュランシェフ・大堂浩樹が率いる、アート展示とダイニングが同等に機能するユニークな空間である。大山が本展のために制作した告知ポスターは〈THE GALLERY〉内の壁に展開し、またNY市内のさまざまなエリアにも貼られる。広告であり、同時に作品でもある「ワイルド・ポスティング」が、〈THE GALLERY〉の内外をシームレスにつなぎ、拡張させていくのだ。
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会場に近づくとまず目に飛び込むのが、屋外ダイニング用テントの全面に施された壁面作品《FFIGURATI #404》だ。
続いて、〈THE GALLERY〉の入り口に施されたもう一つの壁面作品《FFIGURATI #400》に出会う。屋内に入ると壁にはワイルド・ポスティングや、過去作品から近年に制作されたものまで絵画や版画が展示されている。
本展のため新たに制作したのが、《FFIGURATI#400》と同じく、エアロゾル・ライティング(エアロゾル=スプレー塗料を用いたストリートアートにおける手法)文化の視覚表現を翻案したモチーフ「クイックターン・ストラクチャー」(以下QTS)を、ステンシルの技法でキャンバスに描画した《FFIGURATI #403》。〈THE GALLERY〉では展覧会に際し食事メニューと展示内容のコンセプトなどを編集したZINEを毎回制作するのだが、今回その表紙にも同じQTSが登場する。