『後援企業株を報告せず 西銘恒三郎沖縄相が大臣規範違反』へのみんなの感想まとめ
【画像】昨年12月に公開された西銘氏の資産。株式欄は空白
沖縄4区が地盤の西銘氏は2003年の衆院選で初当選。茂木派の所属で、現在、当選6回を数える。父・西銘順治氏も生前、沖縄県知事や衆院議員を務めていた。
「1月23日の名護市長選では、与党の推薦候補が勝利しました。9月の知事選では、玉城デニー知事の再選を阻止したい自民党が西銘氏の擁立を視野に入れています」(地元記者)
西銘氏は沖縄北方相として初入閣し、昨年12月に公開された閣僚の資産によれば、株式を保有していなかった。だが、実際には、那覇市の鶏卵販売会社「前田鶏卵」の株式を保有。保有株式を報告していない場合、閣僚とその家族が持つ株式などの公開を定めた大臣規範に違反していることになる。
前田鶏卵は1961年創業で、資本金は1200万円。鶏卵の販売や加工食品の製造などで成長を重ねてきた地元の有力企業だ。現在の売上高は10億円を超える。
前田鶏卵の前田睦己社長は、「週刊文春」の取材にこう説明する。
「1996年に50万円分の株を買ってもらった。配当はないですが、保有し続けてもらっています」
西銘氏と前田氏は40年来の仲で、選挙の支援もしていたという。
「1981年頃、沖縄振興開発金融公庫に勤めていた西銘さんと草野球で知り合いました。その後私は、西銘さんが会長の『日曜友の会』という模合(沖縄独自の互助会)で幹事も務めた。沖縄県議選に初出馬した時(1988年)は、『友の会』のメンバーの寄付が合計300万円ほど集まりました」(同前)西銘氏の秘書の回答は… 西銘氏に事実関係の確認を求めたところ、秘書が以下のように回答した。
「西銘は『株は返したと思う』と言っていましたが、前田社長に連絡したら、額面で50万円分保有していた。前田社長は西銘を議員にした一人ですが、お付き合いの形で持っていただけ。資産公開を訂正します」
政治家の資産公開に詳しい九州大学の斎藤文男名誉教授が指摘する。
「大臣規範はリクルート事件の反省を機に、どんなに少額でも株の保有や取引を巡って不正が起きないように大臣同士が申し合わせた約束事。単なる記載漏れと矮小化してはなりません」
閣僚の資産公開を巡っては、平井卓也デジタル相(当時)が、デジタル庁関連の事業も受注した親密企業グループの株式保有を報告しておらず、責任が問われた。岸田政権は政治とカネの透明性確保を掲げているだけに、後援企業の株式保有を報告していなかった西銘氏の問題についても対応が注目される。
1月26日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」及び1月27日(木)発売の「週刊文春」では、西銘氏の人物像や経歴、前田社長との詳しい一問一答、西銘氏が大臣として前田社長らの要望に応える様子などについて報じている。「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年2月3日号