『「まさかマイナス?」8歳の貯金箱 駆け込みでATM故障も』へのみんなの感想まとめ
【写真】大量の硬貨投入で故障したATM
◇「駆け込み」ATM壊れる
手数料の導入前最後の平日となった1月14日、各地の郵便局では硬貨の「駆け込み貯金」が相次いだ。東京都目黒区内のゆうちょ銀の窓口では、大量の硬貨の入ったビニール袋を抱えた利用者が順番待ちをしており、職員は「普段の倍以上のお客様が見えている」と忙しそうに話した。
福岡市内にある福岡西郵便局では導入前日の16日、硬貨を現金自動預払機(ATM)に入金しようとする利用者が相次ぎ、昼過ぎに4台のATM全てが故障した。家族への送金に訪れた女性は「1時間くらいなら待とうかと思ったが、何時間掛かるか分からないと言われてあきらめて帰った」。同局によると、許容量を超える枚数の硬貨が投入されたことが故障の原因で、復旧は夕方ごろになったという。
◇超低金利、しぼむサービス
金融機関が相次いで手数料を新設する背景には長期化する超低金利がある。貸し出しによる利ざや収入が減少した各行は、経営環境の悪化を防ごうと、2019年ごろから振り込みや両替の手数料引き上げを打ち出してきた。大量硬貨の取り扱い手数料もその一環だ。
みずほ銀行では20年4月以降、窓口に101枚以上の硬貨を持ち込んだ場合、550円の手数料が掛かる。501枚を超えると1320円、1001枚超だと1980円となり、以降500枚ごとに660円ずつ増えていく。ATMでの預け入れは手数料不要だが、一度に投入できる枚数に制限がある。
三菱UFJ銀行やりそな銀行、三井住友銀行なども、金額は若干異なるものの、同様の手数料を徴収している。
「最後のとりで」と言われていたゆうちょ銀では、ATMで硬貨1枚を預け入れる場合も手数料が掛かる。同行広報部の担当者は「銀行業界を取り巻く経営環境は厳しい状況にあり、安定的なサービス提供やネットワーク維持のため、手数料を見直すことになった」と説明。硬貨の輸送保管費やATMの保守には年間数億円規模の費用が掛かっており、「心苦しいが、お客様にも手数料をご負担いただくことになった」と理解を求めた。
◇まさかのマイナス
「下手すれば手数料でマイナスになってしまうかも…」。福井県敦賀市内に住む会社員の男性は、8歳の長女が大事にしている貯金箱のことが頭によぎった。2、3歳のころから家の手伝いをしたお駄賃やお小遣いを貯めてきた、ゲームキャラクターの「スライム」の形をした貯金箱だ。開けてみると、500円玉は1枚だけで、ほとんどが1円玉や10円玉。1月17日までなら手数料が掛からないと分かり、急いで最寄りの郵便局窓口で数えてもらうと、総額7500円ほどになった。長女は職員から「こんなによく貯めたね」と褒められ、喜んでいたというが、男性は「今後は子どもたちが楽しく貯めたお金からも手数料を取られると思うと寂しい」と語った。
東京都江戸川区に住む自営業の男性は、禁煙を機に、たばこを吸ったつもりで代金分をためる「つもり貯金」を始めた。コカコーラの瓶型の貯金箱にためた硬貨は計1万801枚。総額約120万円になっていた。手数料導入直前にゆうちょ銀に預けることができたが、「『来週なら1万円以上手数料が掛かるところだった』と窓口で言われた。楽しかったが、もう小銭貯金は止めます」と苦笑いした。前へ12次へ1/2ページ