長野・御代田でフォトフェスティバル開催中。浅間山をのぞむ自然の中で最先端の写真にふれる。
豊かな自然の中で、写真を五感で体験できるアートフォトの祭典として、2018年に、浅間山麓でスタートした『浅間国際フォトフェスティバル』。今年の会場となった長野県の御代田町での開催は、3年ぶり、3回目となる。アートフォト専門誌『IMA』のエディトリアルディレクター、太田睦子と、共同キュレーターであるアイヴァン・ヴァルタニアンのキュレーションのもと、国際的に活躍する写真家たちの作品を、自然の環境を活かしたユニークなインスタレーションで屋内外に展示する。
今回のテーマに掲げたのは「Mirrors & Windows(鏡と窓)」。写真という「窓」を通し世界を覗き、同時に、自分自身を見つめる「鏡」ともなる写真の本質とその可能性を示唆した。本展でカラー初公開となる石内都の『連夜の街』をはじめ、周囲に起きている事象を洞察し、多様な表現で社会へと問いかける多彩なフォト作品が会場内に点在する。
会場となったのは、衣食住とさまざまな写真表現を楽しむための新しい複合施設として御代田町に誕生した〈MMoP(モップ)〉。レストランやインテリアショップなど、ライフスタイルにこだわったショップが軒を連ねるほか、この夏、アートフォトに特化した〈御代田写真美術館〉が敷地内に開館した。
〈御代田写真美術館〉での展示は、フェスティバルのメインスポンサーを務める〈グッチ〉とのスペシャルコラボレーション。国際的に高い評価を得ている7人の日本人写真家が、「新しい時代のジェントルマン」をテーマに、〈グッチ〉を纏う7人の男性たちの肖像を捉えた。
ポートレイト作品を発表したのは、森山大道、沢渡朔、野村佐紀子、細倉真弓、水谷吉法、小林健太、木村和平の7人の写真家。モデルには、〈グッチ〉のグローバルブランドアンバサダーを務める志尊淳(俳優)をはじめ、吉田修一(作家)、金子ノブアキ(ミュージシャン・俳優)、森岡督行(森岡書店代表)、久住有生(左官職人)、石上純也(建築家)、井浦新(俳優)といったさまざまな分野で活躍する男性たち。写真家と被写体が互いに向き合い、各々の世界観を体現したユニークな視点で、自由に自己を表現し続ける男性たちの在り方を問いかけた。