子供たちの郷土愛育む副読本作成 埼玉・越谷市
市によると、小学校の「総合的な学習の時間」で活用可能な独自の地域教育資料を作成した自治体は県内で初めて。
「越谷のすてき」と名付けられた20ページの冊子では、名物やお祭り・イベントといったテーマごとに、市の魅力や特徴などが写真付きで紹介されている。
資料の編纂(へんさん)に携わった同市蒲生小の佐々木清校長は、合同で作成した理由について、「子供たちの興味関心を刺激するような資料にする必要があった」と強調した。
総合的な学習の時間では、指導内容が学校側に委ねられている部分が多く、地域への理解を深めるためには、画一的ではない地元に密着した資料が不可欠になると判断した。一方で、学校側だけでは充実した内容の資料を作ることが難しかったため、街の魅力を市内外に発信する広報担当に白羽の矢が立ったという。 広報シティプロモーション課の宮城美由紀課長は「今まで見過ごしてきたもの再発見することで、子供たちが地域に関心を持つきっかけになるようにした」と説明した。
30日に行われた授業では、同校の3年生の児童約150人に向けて、同課の宮城課長が講演。市の広報担当者が同校で児童に講演するのは昨年度に続いて2度目になるという。
外部から招いた講師などから市の魅力を学んだ児童は、今後、冊子を活用するなどして、地域への理解を深める学習を継続し、秋ごろまでに新聞やポスターなどの形式で発表する予定。
同校の佐々木校長は、児童に対し、地域に参画する意識を持たせることが授業の狙いだとして「学校で学んだことを社会で生かしていけるようにするための指導を続けていく」と述べた。(星直人)