名作絵本図書館──おやすみなさいの本。
起きて、遊んで、ご飯を食べて、お風呂に入って、歯を磨いて、また眠って…子供は、毎日同じリズムで生活し、健康な体内時計を育てることがとても大事。しかしスムーズに眠りについてもらうためには、お父さんとお母さんの血のにじむような努力が必要なこともしばしば。明日の朝も早いのになかなか寝てくれない…そんなときは絵本の力に頼りましょう。夜が更けていくさま、眠りゆくさま…やわらかく美しく描かれたイラストと耳に心地よいリズムで、今日もいい夢見れるかな…。
大きな緑の部屋で始まる、静かなおやすみの儀式。マーガレット・ワイズ・ブラウンと、彼女が信頼を寄せていた画家クレメント・ハードの作品。アメリカでは1947年から読み継がれているおやすみ絵本の定番。眠るときに心細さを感じる幼い子供に寄り添う優しい気持ちにあふれている。この二人の共作で、揺るぎない親子の絆を描いた『ぼくにげちゃうよ』も合わせて読みたい。
せなけいこ独特の切り絵の雰囲気と母親の視点で作られた物語は、怖くて、面白くて、クセ者揃い。いつの時代も子供のハートをつかんで離さない作品ばかりだ。誰もが見たことのある、黒い背景にくっきり浮かんだ白いおばけと、おばけにされて連れていかれるという衝撃のラストシーンが忘れられないこの一冊も、子供の好奇心や怖いもの見たさをうまく突いた傑作絵本。
あなぐまの子供のフランシスは、ベッドに入ってもちっとも眠れません。なぜなら…。次から次へと出てくる「眠れない理由」が、子供らしくほほえましくて共感できる。フランシスのお父さんとお母さんの受け答えも見事。柔らかな鉛筆と淡いグリーンの2色で描かれた挿絵にも癒される。同じシリーズに『ジャムつきパンとフランシス』『フランシスのおともだち』などがある。