アフガニスタンから流出の仏頭を展示 山形・東北芸工大
今回、同大で展示された仏頭は、アフガニスタン東部のナンガルハール州ジャララバード市にあるハッダ遺跡(紀元前2~1世紀)の寺院で見つかったもので、紛争前に日本に流出。筑波大学の谷口陽子准教授が購入した。当初は、アフガニスタン国立博物館に寄贈される予定だったが、破壊される可能性が高いとして、谷口氏が保護責任者となり、当面の間は日本で保護されるという。
仏頭は、高さ15センチほどの大きさで、漆喰に砂を混ぜた「ストゥッコ」でつくられ、ベージュ色。東北芸術工科大学の佐々木淑美准教授は「体の部分もあったと思うが、運びやすくするため仏頭だけ切り取られ、国外に持ち出されたと考えられる」という。
同大卒業生でもある川崎市の会社員、渡辺一誠(かずま)さん(26)は「穏やかな表情で、日本の大仏に似ていますが少し違いますね。ゴツゴツしていて乾燥地帯であるアフガニスタンが想起されます」と話していた。
展示中は、アフガニスタンの伝統的な茶器や絨毯、魔よけなど中東の文化や暮らしが伝わる生活用品や同国産の鉱物、現地の子供たちの写真も展示される。
展示は、同大本館1階ギャラリー「THE WALL」で。入場無料。会期は11月4日まで。3日には、谷口氏がタリバンの侵攻から現在までの文化遺産保護の現状や仏頭の制作技法などについて、オンライン講演を行う。同大入試広報課023・627・2246。