ヴォーリズ建築「ウォーターハウス記念館」に泊まれます…1日1組、13万円超
記念館は3階建てで11室あり、5か所の暖炉、2本の煙突がある「コロニアル・スタイル」の建造物。同市でキリスト教伝導に奔走した米国人、P・B・ウォーターハウスがヴォーリズの歩みに共感し、一家で6年間、ここに住んだ。
築約100年となり、傷みが目立っていたが、2008年6月~09年1月、公益財団法人近江兄弟社(近江八幡市)が全面修復し、国の登録有形文化財となった。以後、限定公開としていたが、建物を宿泊やガイドツアーなどの観光事業に積極活用し、収益の一部を維持管理費の財源として積み立て、保存を図ることにした。
宿泊には1~2階を使用。1階にはリビング、ダイニング、サンルーム、キッチン、トイレがあり、2階に寝室3室と談話室、浴室・トイレを備える。
1日1組(定員7人)限定で、1泊2日の宿泊料金は13万2000円(税込み)。チェックインは午後3時から同6時で、チェックアウトは午前10時。フェースタオルやバスタオル、浴衣などのアメニティーを備え、キッチンでは調理ができる。
同市の旧市街地で古い酒蔵を改築した宿泊施設を営む「近江八幡まちや倶楽部」が記念館を借り、宿泊施設を運営する。同倶楽部代表の宮村利典さん(46)は「ヴォーリズ建築は近江八幡の宝。観光資源として利活用することで地域活性化が期待できる」と話す。
宿泊者にはスマートフォンのGPS(全地球測位システム)機能と連動した音声ガイドアプリを提供。市内9か所のヴォーリズ建築前へ行くと、自動的に案内が流れる。市内には20件余りのヴォーリズ建築が現存し、近江八幡観光物産協会事務局長の田中宏樹さん(49)は「記念館に宿泊し、点在するヴォーリズ建築を巡ってみては」と呼びかける。
記念館を所有する「近江兄弟社」常務理事の藪秀実さん(58)は「建物の保存、継承につながる取り組み。窓が多く、光や風をふんだんに採り入れた、明るく温かい雰囲気を実感してほしい」とPRする。
予約、問い合わせは、近江八幡まちや倶楽部(0748・32・4654)。