ロリータの原点に「アリス」がいた! トトロやロボットアニメにも見た意外な影響〈AERA〉
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「エプロンを着けてふわっとしたドレスにロングの髪の毛。アリスはロリータにとって憧れの存在。この服装でお茶会を楽しむのがセットなんです」
六本木で開催中の「特別展アリス」の会場に、まるで「不思議の国のアリス」の格好で現れた青木美沙子さん(39)は言った。
青木さんはいくつものロリータブランドでモデルを務めるカリスマ的存在だ。アリス風コーデだけで10着以上、ロリータの服は千着ほど持っている。正看護師として忙しい毎日を送るが、ナース服以外は365日ロリータの服装に身を包むという。
■変身願望をかなえる
「ロリータの服は自分の弱い部分を隠せる鎧(よろい)のようなもの。イメージはフランス・ロココ調のマリー・アントワネット。『お姫様になりたい』変身願望をかなえてくれるんです」
フランスのロココ調──。ロリータ文化をそう最初に発信したのは、作家の嶽本野ばらさん(54)の小説『下妻物語』か。後に映画化され、ロリータの服に身を包む主人公・桃子を深田恭子さんが演じ、ロリータブームに火を付けた。
だが、嶽本さんは、「あれは桃子が言っただけで、本当にロリータがロココからきているわけではないんです。イギリスからインスパイアされている部分が大きいと思います」。
英国がファッショントレンドの中心だった時代背景もあり、ロリータの服装は英国ファッションの影響を強く受けたようだ。
英国ビクトリア朝時代生まれの「アリス」は、その時代の中産階級の子どもの服装をしている。「ロリータ女子が好きなアイテムにトランプ、チェス、ウサギ、時計、バラなどがある。こういうものが『アリス』に出てくるのも、アリスがロリータファッションで重要視される理由の一つかと」と嶽本さん。