解散後初の本格的な回顧展。「開館60周年記念 走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代」展が京都国立近代美術館で開催へ
走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代」が、7月19日~9月24日の期間で京都国立近代美術館にて開催される。
1948年、八木一夫、叶哲夫、山田光、松井美介、鈴木治の5人によって結成された走泥社。その後、会員の入れ替わりを経ながら50年間にわたり、日本の陶芸界を牽引してきた。長年の活動を通じ、陶によるオブジェを世間に認知させたこと、そして陶芸固有の表現世界を切り開いたことで評価されている。
走泥社解散後初の本格的な回顧展となる本展は、結成25周年となる1973年までの期間を主な対象としている。前半期の25年間に限るとはいえ、この時期の走泥社の活動全体を紹介する初めての試みとなる。
展覧会は、「前衛陶芸の始まり
走泥社結成とその周辺(1954年まで)」「オブジェ陶の誕生とその展開(1955-63)」「『現代国際陶芸展』以降の走泥社(1964-73)」の3章構成。同人の増減を繰り返しながら活動を続けた走泥社の作家のうち、31名の作品および関連資料を紹介する。
また、当時の陶芸界に影響を与えたパブロ・ピカソやイサム・ノグチの作品、また同時期に前衛陶芸を牽引した四耕会、そして陶彫の辻晉堂や「現代国際陶芸展」(1964)の出品作家など、走泥社以外の団体や作家も一部取り上げられ、前衛陶芸が生まれた時代を振り返る貴重な機会だ。