ヘミングウェイもボブ・ディランも滞在した伝説のホテルの女主人
ふたりは1992年までそこに住み、それぞれ近くのアパートに引っ越して別居したが、ホテル経営者としてはその後も一緒に働き続けた。(ふたりは1996年に娘が結婚する際に仲直りし、ダニエル・ポールが2014年に92歳で亡くなるまで一緒だった。)
最初は個人宅だったのがアールとなり、いまは「ワシントン・スクエア・ホテル」という名を持つこの宿は、自由奔放なダウンタウンの歴史のなかで独特の位置を占めている。
一時は、作家(アーネスト・ヘミングウェイ、P・G・ウッドハウス、ディラン・トマス)やミュージシャン(1964年の初ワールドツアーのときに滞在したザ・ローリング・ストーンズなど)に愛された。
ホテルは2023年に築120年を迎え、ニューヨーク市内の単独経営ホテルとしては最古のもののひとつになる。
市内のホテルのうち家族経営のものがどれほどあるのかは不明だが、リタ・ポールのような経営者はほとんどいないと言うのは、ホテルコンサルタントでありニューヨーク大学「ジョナサン・M・ティッシュ・センター・オブ・ホスピタリティ」の准教授でもあるショーン・F・ヘネシーだ。
「同じように経営されているホテルはほかに知りません」