蔵・古民家・神社まで…島全域で手作りの「芸術祭」 今後は廃校や空き家活用も目標に【広島発】
ここはその会場の一つ、ふくろうの花畑カフェ。
芝桜が植えられた敷地内に作品が並ぶ。
島の景観を生かした芸術祭、その名も「みんなのせとうち備後芸術祭」(すでに終了。4月15日から5月15日まで開催)
みんなのせとうち備後芸術祭実行委員長・広田和典さん:
特徴はアンデパンダン(無審査・無償・自由出品の美術展)。出したい人は誰でも出品できる、無料。そのかわり、制作費や運賃も全部自分持ち。8歳から80歳まで100人以上が参加しました。作品は200点。
びっくりしています。みんな何か発表したいのかな。みんなの美術展になったような、勝手にそんな気がしています
芸術祭は、田島と横島のほぼ全域。15カ所に、プロ・アマを問わず約200点もの作品が展示された。島にある普通の建物も利用された。
広田さん:
昔、縫製工場だった建物。この景色が気に入ってしまって。会場に使わせてくださいとお願いした。どうですか。ここまでにしたんです!
実行委員長、広田和典さんの作品も。
広田さん:
僕のは、だいたい、こういう感じの絵です。東海村とかチェルノブイリとか、震災とか。全くある日突然被害にあって、人生を変えられた人をずっと追いかけてきたつもりです。ウクライナの人もある日突然、鉄砲の弾が飛んでくるわけですから。許せません
3年程前に移住してきたという広田さん。この島で芸術祭を開こうと思った理由は?
広田さん:
もうそれは景色です。田島、横島の素晴らしさを見てほしいんです。瀬戸内海はみんな美しいというけれど、これくらい美しい瀬戸内海があるだろうか、というくらい好き。とにかく瀬戸内海を代表するような場所だと思います。穏やかで静かで、人がいい。少なくとも福山の人には来てほしいですね
こうした広田さんの島への熱い思いから始まった芸術祭。島の良さをより感じるため、散策しながらアートを探すことが、この芸術祭の楽しみの一つ。
島ならではの細い道を進んだところに会場が…
会場の一つ、ボラギャラリー。
古民家を改装した画廊だ。ここにも様々な作品が。お客さんも、島のアートと散策を楽しんでいたよう。
観客:
たまたま、きょう久しぶりに自転車に乗るかと言うことで内海に来た。芸術祭のことを聞き、地図を見ながら1軒1軒回っている。こういった港町だから入り組んでいるけれど、それがまた楽しいんです。内海の町にこんなところがあるんだと