遠藤周作生誕100年で記念展 町田市、作品の輸送費など寄付募る
遠藤は、1963年から87年まで同市玉川学園に居を構え、「沈黙」や「死海のほとり」などの代表作を執筆した。町田を舞台にした短編小説「土埃(ぼこり)」では「ここに来ると、急に空気の味が変わる。うまい。おいしいのだ。(中略)随分、無理をしたが、やっぱり、ここに家を建ててよかったと満足するのである」と記している。
遠藤の死後、遺族から市に蔵書などの資料約3000点が寄贈されたことがきっかけで、2006年に市民文学館が開館。以後、同館では遠藤の作品をテーマにした展覧会を度々開催してきた。市によると、23年10月ごろから開催予定の「生誕100年記念展」では、長崎市の遠藤周作文学館で20~21年に発見された未発表小説「影に対して」や、未発表戯曲3作の直筆原稿などが展示されるという。
ふるさと納税は、長崎との往復の輸送費150万4000円を目標額とし、寄付1万円以上で、招待券などを入れた「記念展ご招待セット」、「町田で採れた季節のはちみつセット」などの返礼品が贈られる。
市の担当者は「弱者に寄り添う作品を数々執筆してきた遠藤氏の魅力を広く発信する機会になる。ぜひ支援をお願いしたい」と話している。
寄付は、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」の専用ページ(https://www.furusato-tax.jp/gcf/1987)で。問い合わせは市財政課(042・724・2149)。【加藤佑輔】