AKIRA、攻殻機動隊…。あのアニメの建築要素とは?
建築や都市にまつわる展示を行ってきた石川・金沢の〈谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館〉で、アニメーション映画の背景美術に着目した展覧会が開催中だ。「ストーリーやキャラクターには一切触れず、アニメーションの世界を表現するのは背景美術であることにこだわって、展示作品を選びました」と、同館専門員の高木愛子さん。それにより、魅力的なストーリーやキャラクターが動く世界を、背景美術が支えていることが浮き彫りになる展示構成だ。
選ばれたのは『AKIRA』『鉄コン筋クリート』など1980年代から2000年代にかけての、最後の手描き世代による6作品の背景画群。その多くが、かつて背景画の専門工房として存在した〈小林プロダクション〉出身者の作品であることにも注目したい。
本展の監修を務め、アニメーション映画に精通する建築史家の五十嵐太郎が『機動警察パトレイバー』映画シリーズの舞台を現実の東京にプロットした地図も展示、時空を超えた聖地巡礼ができる。
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』は混沌とした香港、『機動警察パトレイバー 劇場版』は東京の下町など、作品の世界観に合った街で背景美術の資料写真を撮影した。本展ではその一部も展示されている。
2023年9月2日には建築フォーラムを開催。〈谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館〉石川県金沢市寺町5-1-18 TEL 076 247 3031。~2023年11月19日。9時30分~17時。月曜休(祝日の場合は翌営業日)・10月31日休。観覧料800円。