福山城「令和の大普請」 400年前の姿を現代の技術で…大規模改修工事に市民の熱い思い【広島発】
JR福山駅の北側にそびえる福山城。8月に築城400年を迎える。
今はリニューアルの真っ只中。天守は足場に覆われ、耐震改修工事が進められている。
工事現場をエレベーターで上がっていくと…そこは、福山の街を見下ろす福山城の屋根の上。そこで、真新しいシャチホコをチェックしているのは、地元の屋根専門施工会社・藤井製瓦工業の藤井孝浩さん。
藤井製瓦工業・藤井孝浩さん:
今回は再建当時の瓦を取り替える工事をしました。鯱(シャチホコ)も揺れとか振動があったせいか、一部分破損しているところがありましたので、今回の工事で新しく取り換えました
城の天守だけでなく、周囲の櫓(やぐら)なども併せて行われた瓦の補修。1年半に及ぶ作業も大詰めを迎えている。
藤井孝浩さん:
50年以上経っていて、瓦自体の劣化はそう大きくなかったですが、瓦以外の部分ですね。土の部分とか釘が錆びていたりとか劣化がありましたので、今回の工事で耐震性を高めることができたのはよかったと思います
福山城の天守は1945年の空襲で焼失し、現在のものは1966年に鉄骨鉄筋コンクリートで再建されたもの。50年以上を経た城の修復作業では、職人としての気づきも多かったそうだ。
藤井孝浩さん:
当時、職人がこういうところに手をかけてやっていたとか、こういう思いでしたのかなという当時の職人の思いを考えながらの工事でもあったので、瓦も50年以上経っていても、いまだにきれいで強度が保たれているということは、瓦造りから丁寧にされていたのかなと感じました
福山の歴史を受け継ぎ、次の50年、100年先に誇れる仕事をしたい。そんな思いで、瓦の修復を手掛けている。
藤井孝浩さん:
福山城は福山市のシンボルですので、こういった建物の瓦の工事に携われることは福山市民としては誇りに思うところ。いつかは福山城の工事をやりたいと思っていたので、今回の工事はありがたいと思う