今度はモネの《積みわら》。またも名画が環境活動団体の被害に
10月23日午後(ドイツ時間)、ドイツの環境活動団体「ラスト・ジェネレーション」の支持者2人が展示中のモネの《積みわら》の前で立ち止まり、マッシュポテトを投げつける事件が発生。美術館によると作品は無傷で、すでに展示が再開されている。
事件を起こしたひとりは作品の前で「人々は飢え、凍え、死んでいる」「私たちは気候の破局を迎えている。そして、あなたが恐れているのは、絵に描いたようなトマトスープやマッシュポテトだけだ」との主張を展開している。
いっぽう、ラスト・ジェネレーションはプレスリリースのなかでナショナル・ギャラリーの事件に言及し、今回の行動によって「社会に対して『芸術と命、どちらがより価値があるか』という問いを投げかけることができる」と主張。同団体スポークスマンは、次のようなコメントを発表している。「モネは自然を愛し、そのユニークで壊れやすい美しさを作品に取り込んだ。モネがその魔力を賞賛したこの世界そのものの破壊よりも、これらの現実のイメージのひとつが損なわれることのほうを恐れる人がこれほど多いのはなぜだろうか。キャンバスに描かれた牧歌的な世界に没頭するのではなく、現実を直視しなければならない。食料と水の奪い合いをしていたら、芸術を鑑賞する暇もない!」。