30年未利用の田辺市有地 ホテル運営業者決まる
民間を対象に、活用方法と、整備・運営する業者を別々に募集する方式がとられ、まず昨年9月の1カ月間、活用方法を公募し、ホテルか旅館とする方針を決定。続いて今年4月1~28日、施設を整備・運営する事業者を募集した。
いずれの募集でも「田辺土地開発」(田辺市新万)1件のみの応募があり、事業者に決定した。
市に提出した事業者の計画では、地上4階建てで延べ床面積約1970平方メートルのホテルを建設し、75の客室を設ける。
市は今年4月の事業者募集で、「地域住民の憩いの場や、地域活動などに活用できるオープンスペースを確保すること」という宿泊施設としては異例の整備条件を出したが、正面入り口の反対側に広場を設けて対応するとしている。令和4年秋に着工し、5年度内の完成を目指す。
市役所で5月30日、基本協定の締結式があり、真砂充敏(まなごみつとし)市長は「街中の観光スポットや周辺商店街への回遊拠点となり、さらなる中心市街地活性化が期待される」とのコメントを発表した。今後、市有地を貸し出す賃貸借契約も結ぶ。
この土地は「旧国鉄田辺駅宿舎跡地」で、市が平成6年3月、将来の駅前再開発や中心市街地整備を見込んで国鉄清算事業団から約4億2960万円で購入したが、利用されないまま30年近くが経過していた。