デザインのいまがわかる!「ミラノデザインウィーク2022」20の注目展示
名監督が手がけた、初のインテリア
映画『君の名前で僕を呼んで』の監督として知られるルカ・グァダニーノが、自身初となるインテリアプロジェクトを発表。同じ構成でありながら、色彩や仕上げ、家具や小物のセレクトを変えることで、異なる印象を与える空間を対照的に配置。壁面の木製パネルを遠近法を応用して貼ることで、空間に奥行きが生まれ、ぐっと引き込まれる演出がされていた。
大理石の印象を変える、異素材との組み合わせ
さまざまな外部デザイナーと協力しながら、通常の製造工程から出る余剰大理石を再利用するブロック・スタジオズ。今年は金属を得意とするデザインスタジオNM3と、異素材を組み合わせたシェルフや家具を発表(右写真)。また、ファッションブランドのスンネイとのコラボレーションでは、テーブルウェアとダイニングセットも提案していた。
儚さの裏にある、絶妙なバランス
ロンドンに生まれ育ち、セントラル・セント・マーチンズを経て渡伊。ヴィンチェンツォ・デ・コティスの元で経験を積み、現在はミラノで活動するグレース・プリンス。多様な素材で構成されたテーブル「スタティック・フラジリティ」は、アンバランスでいまにも壊れそうな儚さを湛えているが、機能性は十分。不完全さのなかに生まれる独自の美を追求している。
進化していく、クラフトの現在地
人の手技で更新される工芸のあり方を、ロエベらしい切り口で表現している。ロエベクラフトプライズのファイナリスト、ヤンソン・リーとともに韓国の手漉き紙「韓紙」を紐状にまとめ手提げに仕上げたものや(写真奥)、スペインのガリシア地方に伝わる蓑にも似た雨具(写真左)に用いられる技法を応用したフリンジバッグを展示。他に世界中から集めたバスケットをレザーで修復した作品も展示された。