日教組教研集会 ICT「分断につながりかねない」
初日は全体集会が行われ、瀧本司中央執行委員長が開会のあいさつで、文部科学省が進めるICT(情報通信技術)などを活用した学習指導について、「子供の分断や能力主義、成果主義につながりかねない。教育産業の参入が加速するのではないかなどさまざまな課題が山積している。子供を中心に据えた教育実践や教研活動を大切にしていかなければならない」などと述べた。
今回、分科会で発表されるリポート数は計475本で、昨年よりも10本程度増えた。しかし、コロナ禍前の令和2年に開催された第69次(621本)からは140本以上減少している。
日教組によると、平成20年の第57次には759本のリポートが発表されていたが、年々減少傾向にあるという。丹野久書記次長は「教職員の多忙化などで教研活動のために集まる時間を取りづらい環境にある」と背景を説明する。
例年は全国から延べ約1万人の教職員が集まり、全体集会や分科会に参加していたが、オンライン化された昨年は約6000人に減少。今回も同程度の規模となるとしている。
文部科学省によると、令和3年10月1日現在で日教組に加入する公立小中高校などの教職員数は21万1418人。全教職員約101万人に占める割合(加入率)は過去最低の20・8%で、昭和52年以降45年連続で低下している。