アーティスト集団チンポム改名へ 森美術館に「職業差別」と抗議
チンポムが公表した文書によると、同館で開かれているチンポムの大規模個展「ハッピースプリング」(5月29日まで)の開催を巡り、同館からアーティスト側で約1000万円の協賛金を集めるよう要請を受け、いくつかの企業に声をかけた。そして、東京・新宿歌舞伎町でホストクラブやバーなどを経営する企業「スマッパ!グループ」が資金提供を申し出たところ、同館から拒否されたという。同グループの会長はチンポムのメンバー、エリイさんの夫で、歌舞伎町商店街振興組合の常任理事も務める手塚マキさん。
文書によると、同館は拒否する理由として、「(森美術館が入る)六本木ヒルズという『まちづくり』における『ブランディング』」「森美術館はヒルズという『文化都市』の顔である」などと説明したという。チンポムは「接客を伴う水商売の会社のロゴは掲載しない」という意味だとして、「森美術館の対応を職業差別だと見る向きもあります」と批判している。
一方、森美術館の広報は毎日新聞の取材に対し、スマッパ!グループからの資金提供を断ったことを認め、その理由について「(チンポム側の説明に)概ね事実と相違はない」と文書で回答した。
チンポムは5月15日までに、同展の広報物を含む全媒体で改名後の名称を使用するよう、同館に要請している。同館は毎日新聞に「可能な範囲で対応することでアーティストの了承を得ている」と回答。展覧会を続行する意向を示している。【平林由梨】