東京都立高入試のスピーキングテスト「不公平生じる」 専門家ら中止を要望
スピーキングテストは11月27日に実施予定で、都内の公立中3年生が対象。国私立中3年生らも希望すれば受けられる。
けがや病気でテストを受けられない生徒や、テスト実施後に都内に転居してくる生徒らについては、来春の入試の際、英語の筆記試験の得点が同じ受験生のスピーキングテストの平均点が合否判定に使われる仕組みとなっている。
これに関し、テスト理論に詳しい南風原朝和(はえばらともかず)・東京大名誉教授(心理統計学)が統計学的に検証を行った。その結果、筆記試験の成績の高低とスピーキングテストの成績の高低が逆転し、一部の受験生の合否判定が入れ替わる可能性があるという。
南風原氏は会見で「平均点を計算する際、(筆記試験が)同点の生徒の人数は限られているため、統計的に算出結果が不安定になる」と理由を説明した。
都教委の担当者は「要望書の内容は確認中」とし、スピーキングテストを受験できない生徒らに対する得点付与の仕組みについて、「最も合理的で、最善の方策であると考えている」と話した。