『ゴルゴ松本、少年院で「命の授業」10周年 「チャンスはくる、だから自分を追い込むな」』への皆さんの反応まとめ
【画像】ゴルゴさんの「命」!
「使命」「ライフワーク」とまで語る、この活動を通じて感じたこと、考えたこと。そして悩める人たちに訴えたいことをこのほど、新著『「命」の相談室』(中公新書ラクレ)にまとめた。
ゴルゴさんは「『命』のためなら迷わず逃げていい」と力説する。逃げることの重要性、そして逃げたあとの振る舞い方を聞いた。(執筆家・山田準)●「少年院は天国だぞ」下積み時代から、米沢藩主・上杉鷹山の「為せば成る、為さねばならぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」という言葉を支えに、努力を重ねてきたという。1997年正月、実家に近い東武東上線の男衾(おぶすま)駅のホームから秩父の山並みを眺め、山頂に浮かんで見えた「命」という文字。それが、ゴルゴさんと「命」という文字を結びつける、宿命的な出会いだった。
ゴルゴさんがお笑いを始めたのは1994年。役者からの転身で当時27歳、周囲からは「その歳で?」とバカにされたという。しかし、この「命」など、人文字ギャグでブレイクし、一躍人気者になった。そんなゴルゴさんが、運命に導かれるように、少年院でボランティア講演をおこなうようになったのは2011年11月から。少年たちの就労支援をしていた元編集者・北村啓一さん(故人)の強い誘いがきっかけだったという。
最初は東京都の多摩少年院。以来、北は北海道から南は福岡県まで、全国48カ所ある少年院のうち、29カ所を訪問。講演回数は約40回にも及ぶ。コロナ禍で一時休止していたものの、昨年10月、赤城少年院(群馬県)で再開した。
「少年院にいる子たちも、目つきや表情は普通の子と変わりません。少年院の中では三食食べることができて、布団で寝ることができて…。(少年院の)外では布団で寝たことがなく、まともに食べさせてもらえない子もいますから。だから、少年院の中で守られている間は、みな同じ目と顔なんです。
でも、外に出て違う環境に流されると、また道を踏み外す予備軍になってしまう。だから『少年院に来たことは不運ではない。ここは天国だぞ。天国へ来たと思って生まれ変われ』って言います。
あと、『ありがとう』は基本。『いただきます』は『命をいただきます』という意味。『ご馳走さま』の『馳走(ちそう)』とは、おもてなしのこと。忙しい中、作って下さった行為に対して、『ご』と『さま』をつけて『ご馳走様』。これらは感謝の言葉。これが言えなかったら人間として駄目だぞ。親や周りの大人が教えてくれなかったことを、僕はただ伝えているだけ」次ページは:●「命」の授業が「使命」に前へ123次へ1/3ページ