10月に楽しむ「秋模様の着物コーデ」自然界のモチーフで季節感を演出!
模様を楽しむ衣服である着物の醍醐味が発揮されるのがいま。四季のなかでも、秋は春とともに日本人の美意識から生まれた模様がたくさんあります。紅葉や銀杏、稲穂をはじめ、葡萄や栗、柿など実りの秋ならではの果実模様も好まれています。なかでも、吉祥のシンボルとしても古くから愛でられてきた菊はバリエーション豊かにデザイン化されて着物に取り入れられてきました。
さまざまに表現される秋の模様ですが、写実的に表された草花や果実は小紋や染め帯などカジュアルなアイテムに用いられることが主流です。一方、菊や葡萄は中国より渡来した名物裂などにも見られるように文様化され、フォーマルな訪問着や格のある袋帯にも用いられます。
自然界が美しく色づく秋模様を主役にしたコーディネートをご紹介します。
撮影=熊澤 透、水田 学(NOSTY) ヘア&メイク=平元敬一、光倉カオル(ダイナミック) 着付け= 奥泉智恵 モデル=松島 花、竹厚 綾 撮影協力= 丸の内ブリックスクエア 三菱地所、ポルトローナ・フラウ東京青山 『美しいキモノ』2022年秋号より
クリーム地に辛子色、青、黒の配色で銀杏を表した友禅染の染めなごや帯。デザイン化されたフォルムがアート作品のような趣き。青みを帯びたグレーの濃淡が美しい、植物染めによる縞を綾織で表した着物に、帯で季節感を演出した着こなし。
着物(銀座もとじ和織 tel.03-3538-7878) 帯(銀座もとじ和染 tel.03-3535-3888) 帯制作(湯本エリ子) 帯〆(さんび/荒川 tel.075-341-2113) 帯あげ(みふじ/加藤萬 tel.03-3661-7747) ピアス280,500円 リング333,300円(ともにTASAKI tel.0120-111-446)
葉のような薄ベージュの場を設けた水色地に、全体に萩や女郎花(おみなえし)などの秋草を白上げで表現した小紋。黒地に円を銀の線で表した袋帯を合わせて。帯の円を月に見立てて秋草茂る野原に配した、伝統的な模様の取り合わせ「武蔵野」を表現しました。
秋を感じさせる自然界のモチーフは、オーソドックスにもモダンにも幅広くデザインされてきものや帯に季節感を表します。
秋の模様を装いに取り入れて、四季のある日本ならではのおしゃれを満喫しましょう。
着物と帯(京都きもの友禅 tel.03-3639-9191) 帯〆と帯あげ(渡敬 tel.075-221-1708) リング330,000円(シンティランテ/イセタン サローネ東京ミッドタウン tel.03-6434-7975) バッグ(神田胡蝶)