織田信長、未来人に遭遇しすぎ マンガやラノベなど約100作品を調査した同人誌『信長名鑑』が熱意の塊
『信長名鑑2 織田家訪問のしおり』A5 84ページ 表紙カラー・本文モノクロ
著者:姫川榴弾
こちらは「マンガやライトノベルなどの作品の中でタイムスリップや転生をして織田信長と遭遇した人」について調査したご本です。作者さんは、さまざまな創作物において信長がどのような描かれ方をされているかを調べ上げ、『信長名鑑(しんちょうめいかん)』(太田出版、2019年)を出版しました。そんな方がこの同人誌では、信長のそばにタイムスリップしてしまった人や、同時代に転生してしまった現代人などをテーマに書いています。
ご本は、どのような条件で調査しているかのレギュレーションから、信長の生涯と来訪者のかかわりが一目で分かる年表、掲載された作品の紹介、そして訪問者の集計、また「なぜこれほどまで多くの訪問者が織田信長のもとを訪れるのか」の分析までが文章でつづられています。
いやはや、「なぜこれほどまでに……」とされているように、時代を越えて織田信長と出会う人はなんと多く、そしてバリエーション豊富なことでしょうか! 歴史を知りたくて時間旅行をする小学生や、信長に筋トレ術を伝える高校生、信長の周囲の人物に転生してしまう人などが続々と出てきます。
調査によるとその数は合計100人を超えるとのこと。これらが信長生誕から本能寺の変までの時代を追いながら紹介され、分かりやすく見ることができるのですが、みんな事情が違うのでとにかく情報量の多さに驚きます! それを調査し、時代順に並べられたご苦労も推察されるのと同時に、どの紹介も短くポイントを押さえているところに、また感嘆させられます。どんなタイミングでどんな人がやってきたのかという個々の事情も、マンガや小説の作品紹介も、コンパクトにまとめられる要約力のすごさに助けられて、膨大な情報を興味深く読み進めることができました。