東京・立川の人気複合施設〈GREEN SPRINGS〉が昼夜楽しめるアートの桃源郷に!
JR立川駅から徒歩約8分の〈GREEN SPRINGS〉は2020年開業の複合施設。周囲には〈ファーレ立川〉をはじめパブリックアートや並木が楽しめる街区が広がる。〈GREEN SPRINGS〉にもパブリックアートが点在しており、空中庭園では四季を通じて自然を身近に感じることができる。
庭園内はX字型の通路に沿って噴水やビオトープ、芝生広場が配置され、スカイデッキにつながる約120メートルの階段は水の流れるカスケードとなっている。ツァイ&ヨシカワはこの特徴的な空間に魅せられて、作品のモチーフやインスタレーションの方法を考えた。ここからはツァイ・シャオチーと吉川公野に作品を解説してもらおう。
「初めて〈GREEN SPRINGS〉に来たとき、複合施設なのに落ち着いた、秘密の庭のようなスペースだと思いました。そこで《カスケードの向こう側へ》では入口の階段をフレンドリーでインパクトのある絵に変え、ワンダーランドを通り抜けるように人々をアートスペースに招き入れたかったのです。普段からアートスペースと商業スペースを分けて考えていません。オーディエンスは必ずしもアートを目的に来た人々ではなくてもいいのです」
空中庭園に入ってすぐの場所には噴水「ファウンテン」がある。定時には、辻井伸行作曲の「GREEN SPRINGS」に合わせて光とともに水が踊る。
「水墨画のモチーフである山水のイメージから制作した《遊山水》は、噴水の動きと共に刻々と移り変わる水面に映る、向こう側の世界も楽しめます。池があって高い木があれば、そこにアーティストが作品をつくることで、飛び出す絵本のように新しいパースペクティブをつくることができるのです」