『ウーバーイーツ配達員男性が絶望…「インボイス制度」で「手取り収入」はこんなに激減する』への皆さんの反応まとめ
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こう途方に暮れるのは再来年から始まる「インボイス制度」の中身を聞いた増本さん(49歳・仮名)だ。
消費税が増税されてから間もなく2年がたつ。コロナ禍もあって増税分の負担が増す消費者だけでなく、売り上げに打撃が出る事業者にとっても負担は大きいが、じつは2年後には多くの個人事業主にとって、とりわけて負担の大きい制度変更が追い討ちのように迫っている。
それが2023年10月から始まるインボイス制度(適格請求書等保存方式)である。納税分、実収入が減る インボイス制度とは何か。
消費税の納税には、「仕入税額控除方式」という方法が使われている。これは消費税の課税事業者が、年間売上高の消費税分から、年間の仕入時に支払った消費税分を控除して納税する仕組みだ。しかし、現状では軽減税率や、年間売り上げ1000万円以下に認められた免税事業者の存在で、国庫に入る税金は少なくなり、正確性に欠けていた。
そこで今回、導入されるインボイス制度では、事業者は実際に支払った消費税額の証明となる、登録番号の付いたインボイス(請求書や領収書)の保存が義務付けられるようになった。
企業と取引する個人事業主(免税事業者)が登録番号付きのインボイスを発行するには、税務署で手続きをして、消費税の課税事業者になっていなければならない。現在約500万人いるとされる免税事業者は、その多くが新たに課税事業者とならざるをえなくなり、消費税の納税分、実収入を大きく減らすことになりそうだ。
この課税事業者登録の受付がいよいよ今年10月から開始される。廃業を迫られる事業者も インボイス制度に詳しい元静岡大教授の湖東京至税理士が解説する。
「課税事業者とならず、免税事業者のまま事業を続けることは可能ですが、仕事の発注元は消費税の控除ができなくなって収める税金が増えてしまいます。そうなると免税事業者は取引対象から外されるか、消費税分、値下げを要求される恐れがあります。
ただ、現実には、発注元の経理の事務負担上の問題から、免税事業者の多くは取り引きから外されることが多くなると想定され、課税事業者への転換を余儀なくされるケースが増えるはずです。インボイス制度が導入されている欧州でも免税事業者制度はありますが、多くが課税事業者への鞍替えとなりました」
免税事業者はなんとか取引先に現状維持で泣いてもらうか、無理であれば新たに課税事業者になるか、値引きを受け入れるか、廃業するかの苦しい選択になる。日本商工会議所が行ったアンケートでは、インボイス導入後、免税事業者のうち7.5%が「廃業を検討する」と答えている。次ページは:ウーバー配達員への打撃前へ123次へ1/3ページ