脳性まひ乗り越えた先に 上野和子さん個展
上野さんは筆のついた靴を左足に履いて、絵を描く。会場にはこうして描いた絵15点や、日々の思い出をつづった詩などが展示されているほか、上野さんの創作活動中の写真も並んでいる。
上野さんが絵を描き始めたのは障害者施設「ひまわりの家」に通い始めた30歳ごろ。同じ障害を持ちながら朗読にチャレンジしたり、絵を描いたりする入所者の姿に衝撃を受け、「自分もやってみよう」と思ったのがきっかけだ。
その後、生活のサポートをしてもらうためボランティアを集め、10年間にわたる1人暮らしも経験した。
40年間、創作活動を続けてきたのは「絵を描いているときが1番楽しいから」と笑顔で話す上野さん。「後ろを見ても仕方がない」と前向きな姿勢でさまざまなことに挑戦してきた向上心や力強さが作品にも表れている。
青空の中を走る鮮やかな黄色のキリンや、吹雪の中、母親を探しているオレンジ色のペンギンなど動物を題材にしたかわいらしい作品も多く、カラフルな色使いが特徴だ。
現在、絵を描くのは月に1回程度だというが「足が動く限り描き続けたい」と創作意欲を燃やし、「これは私が生きた証し。どうぞ見てほしい」とアピールしている。
入場無料。展示は午前11時~午後5時。問い合わせは、たんぽぽの家アートセンターHANA(0742・43・7055)。