『「早期退職」を募集すると優秀な人材から抜けていく、本当なのか』への皆さんの反応まとめ
通常の割増退職金に上乗せする加算額は最大で基本給50カ月分とのことなので、「そんなにもらえるなら自分も辞めるかも」と思う人もいるでしょうが、パナソニックのケースに限らず、「早期退職を募集すると、優秀な人材の方から抜けていく」とはよく言われる話です。これは本当なのか、このような認識が起きるのはなぜなのかを今回は考えてみます。落ち目のとき、頑張る人こそ次世代リーダー まず、そもそも、本当に優秀な人材「から」辞めていくのかについて考えてみましょう。確かに4年分以上の退職金の加算があれば、優秀な人材は「それを元手に一旗上げてやろう」と思うかもしれません。ただ、このように功利主義的に「自分のことだけ」を考える人材がその会社にとって、本当に優秀な人材かは分かりません。
功利主義者は組織への帰属意識をうまく育てる上司に使われれば、会社のために頑張ることも大いにあり得ますが、多くの場合、自己の利益ばかりを追求し、全体最適な行動を取らないことも分かっています。「優秀だが自己中な人材」は会社にとって、最適な人ではないかもしれないのです。
将来、組織や社会のリーダーになっていくような人には自己犠牲や奉仕の精神、さらには全体最適を考える姿勢などが必要です。企業はいつも順調なわけではありません。景気の変動や事業の浮沈などによって、ピンチに陥ることはいくらでもあります。現在まで続いている企業はそういう落ち目のとき、誰かが頑張って、立て直しを図ってきたからこそ、今があるわけです。
リクルートしかり、ソニーしかり。企業が落ち目になったとき、「泥舟から早く逃げよう」という人ばかりでは会社は続いていきません。もちろん、ピンチの企業から成長企業へ場を移すことを否定するわけではありませんが(筆者自身もそういう人間でした)、そこで踏ん張ってくれる人がその会社にとっては「次世代リーダー」なわけです。次ページは:能力の低い人ほど自分を過大評価前へ12次へ1/2ページ