富山湾に沈んだ江戸の港町#3 評判の「釣りスポット」に謎の“巨大丸太” 年代測定で驚きの結果が
漁師間で噂となっている釣りスポットの海底に「何か」がある、という話を聞き、海底調査に乗り出した。
海に沈んだ港町…。言い伝えでは、神社の鳥居も海中に残るとも言われる。新たな発見はあるのだろうか…
富山市の四方(よかた)沖で取材を続けること数カ月。
しかし、石垣に次ぐ新たなものは見つからない。そんなとき、取材班をサポートしてくれる釣り船の船長がこんなことをつぶやいた。
船長:
昔からよく釣れるとうわさされている場所があるんです。何か海底にあって、くぼみになっています
ここは四方の沖合、約200メートルの地点。魚がよく釣れると評判のスポット。海底をソナーで見ると、突起のような変化も見える。
船長:
3つ怪しいのがあるんですよ、ほかのものが見つかったりして
潜水してみると、早速ヒラメの姿が。確かに魚影は濃いようだ。
水深は6メートル。砂地が広がっていて、目立った地形の変化ない。すると、同行のプロダイバーが、底の砂を掃くような動きを始めた。周囲の砂地には波紋状の筋があるのに、ここだけ無いという。
しばらく砂を払っていると、出てきたのは木のようだ。丸太のようで、直径は60cmから80cmはあるだろうか。長さは相当あるようだが、砂の中に埋もれていて確認することができない。露出した部分は穴だらけで非常にもろく、貝がすみかにしているようだ。
丸太といえば、言い伝えにあった沈んだ鳥居の存在もちらつく。木を砂の中から掘り出してみたいところだが、人の力だけで持ち上げるのは難しそうだ。
仕方なく、取材班は木の一部をサンプルとして採取することにした。
海底の丸太の映像を早速、専門家に見てもらった。
富山市埋蔵文化財センター元所長・古川知明さん:
これが幹なので…あれちょっと待てよ?埋没林の可能性が一つと、鳥居が倒れている可能性も否定できない。これまでは石以外のものは見つかっていないので、素晴らしい発見ですよ
古川元所長の見立ては、大昔の植物が海底に沈んだ埋没林か、鳥居など何らかの人工構造物だ。