今年上半期「最も人気の美術展」はオランダのフェルメール展
2月10日から6月4日までアムステルダム国立美術館で開催されたフェルメール展は、113カ国から65万人の入場者を集め、同美術館にとって「史上最も成功した展覧会になった」と発表された。
英紙ガーディアンが「展覧会を超えた奇跡」と評したこの展覧会は、17世紀のオランダ絵画黄金期を代表する画家の1人であるフェルメールの作品の82%を展示し、代表作の「真珠の耳飾りの少女」などを含む、史上最多の作品が集まったと英国版ヴォーグは伝えている。
ARTnewsによると、この展覧会のチケットは発売から数日で完売し、転売されたペアチケットは当初の販売価格30ユーロ(約33ドル)をはるかに上回る1枚1000ドル以上で売られたとHyperallergicは伝えている。
フェルメール展の入場者数は65万人とされ、2014年にロンドンで開催されたマティス展の入場者数の約56万人など、他の美術館が打ち立てた記録を上回った。
ただし、この記録は、2020年にルーブル美術館で開催されたレオナルド・ダ・ヴィンチ展の入場者数の107万人や、2018年にニューヨークのメトロポリタン美術館で開催された「神々しい身体:ファッションとカトリックの想像力」展の170万人を下回っている。
美術新聞が発表したデータによると、2022年のアムステルダム国立美術館の総入館者数は173万人で、世界で23番目に来館者の多い美術館とされた。世界で最も人気のある美術館のトップ10は、ルーブル美術館(2022年に770万人)、バチカン市国のバチカン美術館(同500万人)、ロンドンの大英博物館(同400万人)、ロンドンのテート・モダン(同390万人)、ソウルの韓国国立中央博物館(同340万人)、パリのオルセー美術館(330万人)、ワシントンD.C.のナショナル・ギャラリー(330万人)、ニューヨークのメトロポリタン美術館(320万人)、パリのポンピドゥー・センター(300万人)、サンクトペテルブルクの国立エルミタージュ美術館(280万人)の順となっている。
ワシントンD.C.のナショナル・ギャラリーは2022年10月、所蔵するフェルメールの絵画の1つ「フルートを持つ女」の帰属表示を削除し、広範な分析の結果、この作品が実際には「オランダの画家本人ではなく、フェルメールの仲間によって描かれた」と判断したと発表した。しかし、今回のアムステルダム国立美術館の展覧会にこの作品は含まれており、ガーディアンは、同美術館が「この絵が本物であることは明らかだ」と述べたと報じている。