トラベルミステリーの第一人者、作家の西村京太郎さん死去 91歳
昭和5年、東京生まれ。都立電機工業学校を卒業。臨時人事委員会(後の人事院)に勤務した後、私立探偵や警備員などさまざまな職業を経て36年、「黒の記憶」でデビューした。
38年に「歪んだ朝」でオール読物推理小説新人賞、40年には「天使の傷痕」で江戸川乱歩賞を受賞した。53年に発表した「寝台特急殺人事件」がベストセラーに。その後、列車や旅を題材にしたヒット作を量産、トラベルミステリー分野を確立した。平成17年にはその功績に対して、日本ミステリー文学大賞を受賞した。
警視庁の十津川警部が活躍する長寿シリーズは吉川英治文庫賞を受けたほか、テレビドラマにもなり、渡瀬恒彦さんら多くの俳優が十津川警部役を演じて人気を博した。
8年に脳血栓で倒れてからは、長年住み慣れた京都を離れ、神奈川県湯河原町に転居し執筆を続けた。13年、自宅の隣に「西村京太郎記念館」が開館した。