【今週見るべき展示会】本城直季のジオラマ的写真や岡本太郎の赤と黒など
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都市のディテールや自然の山肌など、人間が住む世界を上空から捉えたジオラマ風の写真で知られる本城直季の個展。1960年代から70年代にかけてアメリカで興ったミニマリスムとコンセプチュアリスムを振り返る企画展。赤と黒で見る、岡本太郎の作品世界。今週絶対に見るべき3つのエキシビションをピックアップ
写真家・本城直季の風景写真が見る者にどこか不思議な印象を与えるのは、「アオリ」と呼ばれるテクニックが使われていることが理由のひとつだ。この「アオリ」とは、蛇腹式のカメラのレンズ面とフィルムが置かれる撮像面の間に角度をつくることで、パースペクティブをゆるやかにしたり、ピントを“斜め”にあてたりできるアナログな手法。パースがきつくなる高い建築を自然に写すため建築写真の現場などでよく使われるこのテクニックーーある意味、自然に見えるように“調整”するためのテクニックを、本城は視覚表現のひとつの技法として使いこなし、リアルな俯瞰的風景を虚構的で箱庭のような世界へとつくり変えてきた。
本展は本城にとって初の大規模な個展。新作・未発表作を含む約200点を展示し、これまでの作家としての仕事をまとめて見せる。よく知られた都市の箱庭的な写真作品から東日本大震災後の被災地や宝塚歌劇団の舞台を撮影したもの、またヘリを飛ばし、アフリカ・ケニアを上空から捉えた「kenya」シリーズなど、本城作品の幅の広さを実感できる内容だ。特に「kenya」シリーズは、自然の中に生きる象やキリンがまるで小さいミニチュアのように写されており、実に愛らしい。空を飛ぶフラミンゴの群れをさらに上空から捉えたカットは、無数の鳥がピンク色のかたまりのようにボケて表現され、空に舞う桜のようにも見えて、絵画のような美しさがある。
『本城直季 (un)real utopia』
会期:~5月15日(日)
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
時間:10:00~18:00(木・金曜は20:00まで)※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜 ※ただし5月2日(月)は開館
料金:一般 ¥1100、大学・専門学校生 ¥900、高校・中学生・65歳以上 ¥550、小学生以下無料
電話:03(3280)0099
公式サイト:https://honjonaoki.exhibit.jp/