【独占インタビュー】新MacBook Airに見る、これからの時代のものづくり。
アップル社によればMacBook Airは、世界で最も売れているノートパソコンだという。2020年末、アップルが独自に開発したプロセッサ、Appleシリコン「M1」の搭載が始まってからMacはかつてないほど人気が急上昇している。その中でも、美しい薄型軽量ボディを持ちながら、価格も最も手頃な同製品が人気なのは当然のことだろう。今回、人気製品が、Appleシリコンの第2世代プロセッサ「M2」搭載に合わせて全面リニューアルとなった。シリーズ誕生から14年の歴史の中でも最大規模の変更だ。
最近、アップル社は長年、同社のデザイン部門を率いてきたジョナサン・アイブとのパートナーシップが終了したことを発表したが、新MacBook Airのデザインは、アップルデザイン新時代の象徴であり、今の同社が考えるAppleシリコン時代のノートパソコン像の答えとも言える。
一体、その裏にはどんなデザイン哲学が込められているのか、製品のデザイン担当者らを独占インタビューした。
今回、本誌の独占インタビューに応じてくれたMacBook Air開発担当者は3名。
1人目のShelly Goldberg(シェリー・ゴールドバーグ)はハードウェア エンジニアチームのリーダー。「製品の機能性と美しさを両立させること」が役割でメンバーの多くは機械エンジニアだという。
2人目のAbs Chowdhury(アブス・チョードリー)は20人のインダストリアル デザイナーをまとめるリーダーで、0からつくることも多い部品の一つ一つをどのように定義し、どうまとめ上げるか、それによって製品がどのように見えるのか? どんな感触なのか? 大きさはどのくらいになるのか? といったことを精密に決める。
3人目のLaura Metz(ローダ・メッツ)はMacプロダクト マーケティング、ゴールドバーグやチョードリーのチームなど多くのチームを横断する形で動き、マーケティング資料や説明方法などを決めるのが役割だという。
メッツは製品の特徴をこのようにまとめる。「我々は、どこへでも持ち運べる日常使いのノートパソコン、MacBook Airがより薄く、より軽いだけでなく、あらゆる面において前世代製品よりも優れた新しいデザインを手に入れたことを喜んでいます。現時点で、この製品にこれ以上望めることは何もないという製品に仕上げており、製品への反響に期待をしています」彼女はまた「世界で最も売れているノートパソコンであるMacBook Airが非常にサステイナブルな方法で製造していることの影響は大きい」とも付け足した。