絶対見たい! パリ・オペラ座の「極上アート」を体感できる至福の展覧会
【女子的アートナビ】vol. 270
『パリ・オペラ座―響き合う芸術の殿堂』では、17世紀から現代まで続いているパリ・オペラ座の魅力を、絵画や彫刻、自筆譜などの資料により「総合芸術」的な観点で紹介。フランス国立図書館やオルセー美術館など国内外から多彩な作品約250点が集められ、マネやドガ、ルノワール、シャガールなど巨匠たちの見ごたえある絵画も展示されています。
本展を担当されたアーティゾン美術館学芸員の賀川恭子さんは、「オペラ座とは、絵画・音楽・彫刻・バレエなどさまざまな芸術が一堂に会した場所。それを総合的にお見せするのが今回の展覧会」と解説。パリ・オペラ座と諸芸術とのつながりをテーマに極上のアートを楽しめる、大変贅沢な展覧会です。
では、展示の様子を見ていきます。序盤から、華やかな絵画や彫刻が並び、とてもゴージャスな雰囲気。さすが、パリ・オペラ座の展覧会。心が躍ります! 展示構成も、オペラのように序曲からはじまり、第Ⅰ幕、第Ⅱ幕から第Ⅳ幕へと続き、最後はエピローグで終了。いつもの展覧会とは違う趣向が凝らされています。
パリ・オペラ座は、1669年に太陽王ルイ14世が創立したアカデミーが起源。もともとオペラ自体はイタリアで誕生したもので、ルイ14世の宰相がローマで見たオペラに感銘を受け、フランスに持ち込みました。
第Ⅰ幕の展示室では、ルイ14世が踊っている場面を描いた作品などを展示。バレエは女性が踊るイメージですが、もともとは宮廷で男性が踊っていたもの。宮廷バレエでは国王自身も舞台に出演していました。
公式図録に記載されている舞踊史研究家・芳賀直子さんの解説によると、当時は、「踊りがうまいことがそのまま権力につながった」とのこと。ルイ14世の「太陽王」という呼称も、バレエの役名にちなんだものだそうです。
この展示室では、ほかに、ブーシェやヴァトーなどロココ芸術の作家による作品も展示。オペラ座の舞台から影響を受けた華やかな絵画を楽しめます。