九州大雨、文化財被害15件 3県で、古墳ひび割れなど
文化庁によると、18日時点で福岡は7件、大分5件、佐賀3件だった。九州には4世紀末から7世紀ごろに造られ、石室などに模様が描かれた「装飾古墳」が点在することが知られる。福岡県筑前町の仙道古墳(円墳)では石室内部の壁や床から水が湧き出て、墳丘にはひび割れができた。
同県うきは市では塚花塚古墳(円墳)や重定古墳(前方後円墳)で石室内に浸水があり、関係者からは装飾壁画への影響を懸念する声も上がる。
同県みやこ町で、江戸時代に建てられた庄屋住宅の永沼家住宅(国重文)では、隣接する裏山の一部が崩れ、押し寄せた土砂が基礎部を覆った。
大分県中津市では、現存の石造りアーチ橋では国内で最も長いとされる「耶馬渓橋」(国重文)の欄干の一部が流失した。